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ACM RecSys2013論文感想 その2

Fabiano Belem, Rodrygo Santos, Jussara Almeida, Marcos Goncalves: Topic Dicversity in Tag Recommendation, Proc. of ACM RecSys 2013, pp. 141-148, 2013.
 
タグ推薦において,任意のアルゴリズムからの推薦リストに対してトピックの多様化を図る論文.
 
タグ推薦と言うアプリケーションを対象としているが,基本はZeigler[WWW 2005]と同じ概念の研究.推薦結果を多様化するベースラインのアルゴリズムは,最新のタグ推薦方法(と筆者らは言っている)の遺伝的プログラミングをベースにした手法と,Random forestの手法.
 
p.145のアルゴリズム1に示されているように,ベースラインのアルゴリズムで得た推薦リストCoに対して,それの1位をまず,多様化後の推薦リストCsに加える.その後,Coから,Csとの多様性が最も高いものを選んでCsに入れてということを,目標の個数分繰り返す.Zeigler[WWW 2005]と全く同じ.
 
実験では,提案手法により,推薦精度を維持しつつ,多様性の値が高くなっていることを示している.また,過去の研究では,嗜好に基づく推薦を行いつつ同時に多様化を図る手法(筆者らの研究)があった.それとも比較して,提案手法の方がよくなることを示している.
また,Random Forestを用いると最も精度と多様性の値が高くなることを示している.
 
遺伝的アルゴリズムやRandom Forestをベースラインとして,タグ推薦の多様化を行ったという事例研究という意味では評価できると思う.
 
しかし,情報推薦の分野では,遺伝的アルゴリズムやRandom Forestは,最も標準的な方法ではないため,なぜこのアルゴリズムを対象にしたのかという疑問が残る.また,タグ推薦と言うアプリケーションに対して行ったことは評価できるが,一般のアイテム推薦と何が異なるのかについての議論が全くないのも納得がいかない.Random Forestが最もよくなったという事実も評価できるが,なぜよくなったのかという考察がないのも欠点である.
 
総評として,あくまで事例研究としては評価できるが,結果の普遍性という意味では評価が落ちると言わざるを得ない.
 

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