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INTERACT 2013 招待講演2 Yvonne Rogers氏

INTERACT 2013の2つ目の招待講演について報告します.
 
Mindful or Mindless Technology?
Yvonne Rogers (University College London)
 
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この講演では,人間味のあるテクノロジーか?それとも人間味のないテクノロジーか?どちらを目指しますか?という問いかけを行うものであった.
 
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日本では,i-modeの時代から,電車やカフェ,その他公共空間で,ほとんどの人がケータイの画面にくぎ付けになっているというシーンが見られた.
 
筆者はこの半年ほどで,オランダ,ポルトガル,アメリカ,シンガポール,南アフリカ共和国の5か国を訪れたが,まぁどこの国でも多くの人がスマホの画面にくぎ付けになっている.特にシンガポールのMRTの中では,それが顕著であった.世界どこに行っても,公共空間で人はサイバー世界に没頭し,時に友達と居合わせても,その場の友達とは会話もしないことも見られる(下記,写真参照).
 
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講演者は,このような状況を憂い,今のテクノロジー,ほんとにこれで良いの?という問いかけをし,さらに講演者の研究グループで行っている心の通った(mindfulな)テクノロジーの紹介をするという内容であった.
 
講演後,居合わせた参加者と話したのだが,彼は「あの講演者って,実世界でのコミュニケーションあり=mindful,サイバー世界のコミュニケーションのみ=mindless,って言いたいんだよね.」と話していたのだが,確かにそういう誇張はあったかもしれないが,彼女のやっている試みそのものは面白いものであった.
 
それらをざっと紹介すると,一つ目はグループにiPadを渡して実世界で議論をさせるものや(すみません.詳細は忘れてしまいました),
 
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果物に電極を付けて,それを楽器にするもの.
 
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これを高齢者向けの施設に持ち込み,複数人で演奏させたもの.このバージョンでは,参加者同士が手をつなぎ合わないと音が出ないようになっている.
 
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店のレジに,「今日の気分を入力してもらうボタン」を置いたもの.お客がこれを押すことによって,店の人との会話が始まることを期待している.
 
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同じく,今日の気分に合う色のボールをツイストしてもらうもの.ツイストすると,建物に埋め込まれたLEDが光るようになっている.これをきっかけとして,コミュニケーションが始められるようになっている. 
 
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などがあった.
これらの事例を見ていると,大阪大学経済学部の松村真宏先生がされている「仕掛学」に近いなと思った.
松村真宏先生のHP:http://mtmr.jp/ja/
 
彼女はこの講演では,
・シンプルなインタフェースから,リッチなインタラクションを生むもの
・共有するインタフェースであること
・体験を共有し共感できるもの
・物理的なものや遊び心のある社会的コネクションを生むもの
・オフラインでのコネクションを生むもの
が良いという結論を話していた.
 
シンプルな仕掛けから,周囲にいる名前も知らない人たちとのコミュニケーションを生むという考えは良いなと思った.これはテクノロジーの力を借りなくても実現可能ではあるが,テクノロジーがある方が人は興味を惹かれ,多くの人がその仕掛けに触れていくと言う可能性がある.
 
多くの事例を試し,そこから共通する知見やノウハウ,モデルを導き出してもらいたいと思った.
 

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