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ソーシャルコンピューティングシンポジウム (SoC2012)のノート(午後)

第3回ソーシャルコンピューティングシンポジウム (SoC2012)の参加メモの後編です.

日時 2012年6月23日(土)午前9時55分~午後6時
会場 青山学院アスタジオ
主催 日本データベース学会(DBSJ)
http://www.dbsj.org/event/soc2012.html

13:00~15:00 Session 2 特別企画 『SNSを科学する!』
座長:土方 嘉徳(大阪大学)

S2-1 「社会ネットワークの概論と震災におけるSNSの効用」
栗原 聡(大阪大学)

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手紙のばけつリレーの話

デマ拡散を防ぎたい
デマ拡散とその終息までの様子をモデル化

SIRモデル.病気の感染のモデル.
デモの感染と,それを訂正する情報の感染

デマの情報を受け取る回数もスケールフリー
デマに関連するキーワードを使ってTwitterのメッセージを特定

訂正ツイートも「事実」「ありません」とかで特定


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デマツイート投稿ユーザのうち14.7%が訂正ツイートを発信.
訂正ツイートはデマツイートの2.04倍拡散されやすい.

Twitter以外からの情報の流入

デマ情報の外部からの流入は2.36%
訂正情報の外部からの流入は1.11%
基本的に李ツイートで情報が拡散
TVなどでブロードキャストされてしまうと,ツイートする気がなくなる.

シミュレーションを行ったうえで,実データでも試すと,きれいに再現できていた.

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起点ノードから訂正情報拡散の起点に設定
ハブノードを選択定
デマを送った人の中で次数が多い人を選択
の比較.後者2つが良かった.

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デマの伝搬を病気の伝搬のモデルに当てはめて,実際のTwitterのデマ情報の拡散が
それで表現できることを示したのは,非常に面白いと思います.
また,訂正情報をどう送ればよいのかというのも,面白いと思います.


S2-2 「SNSとゲーム理論(人はなぜ投稿するのか?)」
鳥海 不二夫(東京大学)

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公共財ゲーム
各プレーヤーは一定額の財を提供
情報を提供する=協調行動
情報を提供しない=裏切り行為

n人の囚人ジレンマ
問題に相当

規範ゲーム
裏切りに対する罰則
裏切りが発見されると罰せられる
罰しないことを罰する(メタ規範ゲーム)

メタ規範ゲームでは,うまくいかないことが想定されるので(あまりにも後ろ向きなので),メタ報酬モデルでシミュレーション.

実際のSNSでの報酬とは
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メタ規範ゲームでのシミュレーション
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メタ報酬でーむでのシミュレーション
Reaction rateが安定的に高いことがわかる
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私はゲーム理論のことはよく分かりませんが,規範ゲームと同じ考え方をSNSに合わせてうまくモデルで説明している点が面白いと思いました.成功しているサービスの機能が,上記モデルに当てはまっている点が面白いと思いました.実在するサービスの違いが,上記モデルに従っていることを示せるとなお面白いのですが,今後の研究に期待します.


S2-3 「社会ネットワークにおけるコミュニティの機能抽出」
風間 一洋(NTT未来ねっと研究所)


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1.ノードの機能的な類似性の定義
2.ノードを機能別に分類
3.ネットワークに隠れている機能構造の発見

「機能」とは何?
ネットワーク全体から見た指標

ノードの役割や機能が類似したものを抽出

影響度曲線 xu (PageRank値)
xuとxvの類似度をけいさん
K-median法でクラスタリング

繰り返して計算する影響度(PageRank)がどのように推移するかを特徴量としてxu,xv間の類似度を求める.


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K-median法
中央値を求める.貪欲法を求める.代表オブジェクトを固定.代表オブジェクトと最も近いクラスタに分類

Newman法を改良したCNM法を利用

人工ネットワークに適用.きれいに機能ノードが抽出できている.
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複雑ネットワークに適用.これもきれいに機能ノードが抽出できている.
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この研究,異なるネットワーク構造に対して適用しても,同じように機能的なコミュニティを抽出できているのが,非常に面白い.ここにはルールで抽出できるんだろうけど,それを一つの方法で抽出可能にした点が素晴らしいと思います.

一点質問を挙げるとすれば,Karateネットワークとか,Hoseiネットワークは,比較的きれいなネットワークなんだけど,コミュニティ分割が明確でない一般人の近傍ネットワークに対して適用しても,うまくいくのでしょうか?
非常に興味深く思います.

S2-4 「社会的相互作用としてのSNSにおける仲間作り」
安田 雪(関西大学・社会ネットワーク研究所)


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SNSは知人数は増やす
しかし,本当の友人,仲間,協力関係に発展させられるのか?

結束型:小さなイノベーションを達成するには効果があるだろう
橋渡し型:大きなイノベーションに発展する可能性がある

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バラバシ:インフルエンサモデル(ハブが必要)
ワッツ:山火事モデル(ハブはいらん.木が乾いていたら,ハブがなくても広がる)
→この両方があるんだろうな.

有名人の発したデマツイートの広がる様子など,Twitterの影響力をグラフィカルに見せられたのは衝撃だった.
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SNS上での行使力と判断力が全く別になっている.伝搬の力があるのに,その認識がない人がいる.という点も,考えさせられるものだった.

情報の行き来のないエッジと,本当は流通させたいエッジとがあったとしても,それをマッチングさせることは,人間関係もあって難しいという話は,ソーシャルネットワークを使ったビジネスのむずかしさを再認識させられるものでした.

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