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2011年4月

国際会議WWW2010論文感想その5 (スニペットから反証部分・議論を巻き起こす部分のハイライト)

Rob Ennals, Beth Trushkowsky, John Mark Agosta: Highlighting disputed claims on the web, Proc. WWW'10, 2010.

フレームワーク,集合知,反証(議論を巻き起こす論証),スニペット,ヒューマンインタフェース

あるキーワードを入力して,その検索結果をスニペット付きで受け取った時に,そのスニペット中で,反証のある部分(意見の分かれる部分・議論を巻き起こす部分)をハイライト表示してくれるという機能を実現するためのフレームワークに関する研究.FireFoxの拡張機能としてインストールできる.

ハイライトされた部分をクリックすると,反証が表示され(例えば,"Vacctines contain toxins"とか,"Butter is better for body than margarine"),その反証をサポートする記事と,その反証に対する反論記事が表示される.これらの記事は,ユーザ群が主導で選択したテキスト部分である.

このような反論を入力し共有するような既存研究は,反論そのものをユーザに入力させていたが,このシステムの特徴は,ユーザが閲覧中に発見したWebページ中の反証部分を選択し,右クリックでメニューを表示し,"use as evidence"をクリックすることで,登録できる.ここが売りのようである.
フレームワークとしてのポイントは,
・反証を,SnopesやPolitifactと言った反論が書いてあるようなWebサイトから抽出する(具体的な抽出方法は書いてなく,ハードコーディングのようである)
・集合知的な考え方で,ユーザ群がWebページ閲覧中に発見した反証をサポートする記事や,それに反論する記事を,選択により登録できる.
・検索結果スニペット中に,反証が含まれているかどうかを自動でマッチングする
というところである.

論文は,このフレームワークの良さや特徴を,簡単な被験者実験の結果を含めて,言葉で延々説明する感じである.実験の詳細が不明であることや,具体的な数値データが出ていなかったりすることから,正直読むのがしんどい論文である.

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国際会議WWW2010論文感想その4 (検索結果・サムネイル,ユーザインタフェース)

Anne Aula, Rehan M. Khan, Zhiwei Guan, Paul Fontes, Peter Hong: A comparison of visual and textual page previews in judging the helpfulness of web pages, Proc. of WWW'10, 2010.

検索結果,ユーザインタフェース,Webインタラクション,サムネイル

Googleの研究
サムネールが実際のWebページの価値判断に役立つかどうかを被験者実験で研究したもの.

(実験1)
Zoominのサムネール(詳細が見られる)とZoomoutのサムネール(全体が見られる)について被験者実験を行った.被験者はWebページのサムネールが提示され,役立ち度合いを5段階で尋ねられた.さらにその後,実際にクリックして訪れたページの役立ち度合いを5段階で尋ねられた.

その結果,Zoominのサムネールは,overestimateする傾向にあった(見る前に実際のWebページの役立ち度を過剰に評価してしまう).(私はどういう方法で検証できるのか分からないが)回帰モデルを構築し,両サムネール間で統計的有意差があることを検証した.Zoomoutのサムネールの方が,正確なWebページの役立ち度推定ができるとしている.

被験者数10人.

(実験2)
サムネールとテキストスニペットとの比較を行う.加えて,タイトルとURLの位置がサムネールのパフォーマンスに影響するかどうかも調べた.
サムネールもテキストスニペットも,実際のWebページの役立ち度判断に役立つと結論付けている(しかし,何を持って.判断に役立つと結論づけているのかは不明)
アイトラッカーで,視線の追跡もして,タイトルとURLがサムネールの上についていたら,ほぼそれだけを見て,判断していることも報告している.
被験者数12人.

(実験3)
1. タイトルとURLを持った200*150ピクセルのサムネール
2. タイトルとURLを持った200*200ピクセルのサムネール
3. タイトルとURLを持った200*250ピクセルのサムネール
4. タイトルとURLを持たない200*150ピクセルのサムネール
5. タイトルとURLのみ
6. スニペットのみ
7. 実際のWebページ
の比較.

実験結果,小さいサムネールほどWebページを過小評価し,大きいサムネールほどWebページを過大評価することが分かった.
被験者223人

(総評)
検索結果にマウスオーバーすれば,サムネールを表示しているGoogleらしい研究と言えるが,実験1と実験2は被験者数が少なすぎる上,なにを持って,サムネールが実際のWebページの価値判断に役立つと結論付けているのかが分からない(もちろん相関があることは分かる).実験は3つのパートに分かれているが,基本的にはサムネールの大きさやズーム率とテキスト情報とを比較しており,わざわざ3つに分けた理由が分からない.全体として,unmaturedな感じがする.

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