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「意図せず生まれる知識共有」@JWEIN10

2010年8月20-21日に,日本ソフトウェア科学会 ネットワークが創発する知能研究会 JWEIN10に参加してきました.
招待講演
折田 明子 氏(慶応大)     「意図せず生まれる知識共有」
が非常に面白かったです.

いや,ここまで個人の行動パターンが明らかになるようなサービスが提供されているとは思いませんでした.個人を特定されたくないと思っている人ほど,自分の行動履歴をブログに書きたい傾向があるという調査結果は面白いと思いました.
「知識共有」というタイトルながら,ややWebにおけるプライバシーの危険性が強調されていたように思いますが,リスクと利益をどうマネージメントしていくかという点で,大きなビジネスチャンスがあるようにも思いました.
以下,講演を聞きながらとったノートです.

===
http://www.xefer.com/twitter
というサイト,いつどのくらいのポストをしたかを可視化してくれるサイト.
Twitter IDを入力すれば,OK.

Retweetによりばれる

意図せぬ情報の発信
 プライバシー問題 何を守るか コントルールするか

見方を変えれば,知識共有になる

いつ見てるのか,だれが見てるのか,どこで見ているのか
という情報が知識共有になりうる

女性に人気の記事とか,

Social Technographics profile
積極的な情報提供者はアジアに多い

創造者:ブログ作者
批評者:ブログにコメント
収集者:タグをつける
加入者:SNSなど閉じた中でプロフィールや日記を更新
観察者:他社によるコンテンツを読む
不参加者:ネットしない
加入者に焦点を当てたからSNSはヒットした.
しかし,今後は観察者に焦点を当てたビジネスが盛んになるであろう.

Yahoo!知恵袋
でなぜ人を助けるのか?
・人助けは当然
・教えたい・教える行為の面白さ
(三浦麻子・「ホントはしたい人助け」)

意図せぬ協同
自分のためのSBM記録が人のためになる(深見嘉明)「ウェブは菩薩である」

匿名志向の日本人利用者
実名は2.5%
「総務省:ブログの調査研究」

インターネットの利用での不安
・個人情報の保護の不安

個人情報保護のために何らかの対策を行っている人は70%
(「総務省:平成20年度通信利用動向調査」

匿名であるべき<==>実名であるべき
実名だと自由に意見を言えない.
身の安全も守らないといけない

実名なら誹謗中傷もない

本人到達性:人物がだれであるかを特定できる
Nissenbaum, 1999, Pfitzmann 2010)

到達性の程度を決める要素(Kobsa, 2003)
ユーザの数・規模
多様性(女性は一人しかいないグループ)

実名は到達可能で匿名は到達不可能と
考えられてきたが,実際には違う.

ハンドルネームが異なっても同一人物だと分かる
でも実名は分からないという人は多い.
しかし,何かの拍子に到達可能になることもある

名乗りとIDは異なる
IDのない名乗りは,本当にその人がいるかわからない
IDも,IPアドレス,Cookie,メールアドレス,
身分証などで異なる

どういうサービスを提供したいかでIDの確かさも異なるようにする

無意識な情報発信
・サイトにアクセスする
・投稿「していない」→寝ている?飯食ってる?
・他人によりRetweet
・位置情報の付加
・時間情報の付加
・投稿したアプリケーション

モバイルデバイス利用者調査 2009
折田明子(KDDI総研・慶応義塾大学共同研究)
モバイルユーザ・PCユーザ

情報取得目的
・お得な情報の取得
・クチコミ情報の取得
・友人の様子を知る
情報発信目的
・自分の行動や情報の記録44.8%
・友人に知らせたい24.5%
・くちこみ投稿7.4%

登録している情報
・ハンドルネーム67.6%
・年齢55%
・生年月日45.5%
・血液型45.3
・実名9.2%

発信している情報
・日々の行動61.5%
・旅行の記録34.5%

個人を特定されたくない層
それでもブログは書くしプロフィールも書く
実名の人よりもその傾向は強い
・自分の行動や情報の記録 53.5%
・口コミ投稿 13.2%

「匿名だと思っていたのに」「オトクな情報なら」
と思っている人は,意外と到達可能性が高い

オンラインでの知識共有
QAサイト
OKWave,Yahoo!知恵袋

質問履歴や投稿履歴がユーザIDにひもづけられる

毎日ランチをケータイでブログを書く
・時間
・場所:店の住所,ジオタグ
・写真:何人分か?性別?好物?

3日も書いていない?ダイエット?おなかこわした?

早起き生活をはじめよう
というサイト

http://www.sleepingtime.org
twitterのパターンから寝る時間起きる時間を可視化してくれる

明日の炊飯器の予約時刻,飛行機の便などから未来の行動すらも予測できる

自分のためが他人のためになる
ウェザーニュース
このサービス,会員になるのに有料で,しかもさらに情報を提供させられる
ただ,その分,情報の信頼性は高い

個人は大量に情報を提供している
オンラインに存在するデータを個人が扱える
ストレージのサイズは大きくなっている
デジタル情報は揮発しない

情報を出してしまったら,取り返しがつかない

Facebookのプライバシポリシー
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